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0214:安息の時



―――諸君、ご苦労。爽やかな朝だ。よく眠れたかね?

一度目の放送の時バーンはこう言っていた。
だが敢えて言うならばそれは無理だ。
少年、星矢はそう思った。理由は後ほどわかる―。
正午――再びあの忌まわしい放送が聞こえてきた。
「また…こんなに…」
今回、星矢の知人は犠牲にならなかったものの、確実にその人数は減ってきている。藍染のような奴が次々と殺人を犯しているのだろうか?
「ハーデス!今度こそ必ず…」
小さな少年の体に天馬のオーラが浮かぶ。
星矢の心にはこれまでに志半ばで散った全ての人たちの小宇宙が宿っている。
また、横で寝ている護らなければならない大切な人のためにも。
一方…精神的ショックから寝込んでいる麗子の夢の中にも主催者の声は届いていた。

中川圭一…
「えっ?」
中川圭一…
「嘘!!」
中川圭一…
「止めて!!!」
中川圭一…

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」

叫び声と共に彼女は目を覚ました。体は汗びっしょりで、目はどんよりとしていた。
その顔からは精神的疲労が十分にうかがえる。
主催者の放送は参加者に安らぎを与えてはくれない。休めるときはただ二つ。死ぬか優勝するだけ。
背後からの突然の出来事に、張り切っていた星矢は飛び上がり、急いで寝ている麗子の下へ飛んでいった。
「どうしたの!? 大丈夫かい?麗子さん?」
「星…矢…ちゃん?ひとつ…聞いていい?
さっきの…放送のなかに…中川…圭一って人がいた?」
生気のない声でゆっくりと麗子は喋った。
否定してほしかった。夢であってほしかった。
「中…川…と。」
先程の放送の犠牲者を確認してみる。
ひとり…ふたり…
そして、その中にそれらしき名が見つかった。

真実を言うべきか?

一瞬、戸惑った星矢だったが、やはり嘘はつけない。真実をありのままに麗子に伝えた。
「そう…。やっぱりね……。」
かける言葉が見つからない…
しばらくの間、両者に奇妙な沈黙が訪れた。
その間僅か5分ほどだったが星矢には永遠にも感じられた。
先に沈黙を破ったのは星矢だった。
「あの…麗子さん。もう少し休んでなよ。オレが見張りをしておくからさ」
女性に弱い星矢にとって精一杯考えた上での言葉だった。
しかし、次の瞬間、麗子にあの責任感の強さが戻ってきた。
「何を言ってるのよ。子供のあなたひとりに任せっきりにできるわけないじゃない」
「えっ?」
予想をしていなかった言葉が帰ってきたので星矢はまた驚いた。
「圭ちゃんのことならいいの。私たちは警察官で命を捨てる覚悟はできているわ。
きっと圭ちゃんも市民のために死ねて幸せだったわよ」
彼女が無理をして明るく振る舞っていることにはさすがの星矢にも気付いていた。
鼻声で、涙を流しながらも自分に心配をかけまいと頑張っている彼女をすばらしい女性だと思った。
(でも、オレには明るく話し掛けることはできないよ…)
「あ、そうそう。キルアちゃんはどこへ行ったの?」
中川を忘れるためなのか。仲間を心配しているのか。星矢には分からなかったが、話の転機にはちょうどいいタイミングだ。
星矢は麗子が休んでいる間に起きた事を話しはじめた。

「そ…う。大阪へ…で、どうしたいの星矢ちゃん?」
1、藍染を捜し、決着を付ける。
2、ここに残り、仲間を増やす。キルアの帰りを待つ。
3、四国へ行き、太公望達と合流する。
今までの星矢の思いは番号順だったが、ここへきて決心が固まった。
「オレはしばらくここにいた方がいいと思う。なによりハーデスを倒すには仲間が必要だからね。
近畿には人も多そうだし。」
「でも、いいの。星矢ちゃん?藍染はこの近くにいるのに?」
「もちろん、あいつは許せない。必ずオレが倒してやる。
でも、今は仲間探しが優先だと思うんだ」

本当は(死んでる石崎くんの仇を討つより生きてる麗子さんの安全が優先だよ)
と、言いたかったが恥ずかしくて言えなかった。
「フフ。そう。なら次の放送が終わるまでここにいましょうか。
それから四国へ」
星矢の本当の気持ちを知ってか知らずか、麗子は微笑んだ。滋賀へ来て初めての笑みだっただろう。

その時――――

ドンドンドンドン

突然小屋中にノックの音が鳴り響いた。
まさか。藍染か?
二人の間に緊張が走る。
当然、二人は侵入者に対してエモノを構えた。

ギィィィィ―――

扉は開かれ、侵入者は姿を現した。
しかし、予想に反して、その正体は星矢といくらも歳の違わない少年だった。





【初日滋賀県琵琶湖畔の小屋@日中】
【星矢@聖闘士星矢】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】食料8分の1消費した支給品一式
【思考】1、侵入者との接触。場合によっては戦う。2、六時になったら四国へいき、太公望達と合流。
3藍染、ハーデス達を倒す。
【秋本・カトリーヌ・麗子@こち亀】
【状態】部長、中川の死による精神的ショック(中)【装備】サブマシンガン
【道具】食料8分の1消費した支給品一式
【思考】1、侵入者との接触。
2、六時になったら四国へいき、太公望達と合流。
3、主催者の打倒。


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