0170:戦闘狂
「やぁ、僕の名は趙公明。君の名前はなんだい?」
「僕の名は藍染惣右介。君達の支給品と能力を教えてくれないか?」
「僕の支給品はこれだ。如意棒と言ってね、自在に長さを変えることができる素晴らしい棒だよ。
別にこれといった能力はないね。妖怪仙人ではあるけど」
藍染の問いに迷うことなくすらすらと答えた趙公明は、チラリと背後に目をやってから言葉を続ける。
「そこにも誰か居るみたいだね。出てこないのかな?」
(――おい、完璧バレてるって!素直に出てった方がいいんじゃないか?)
(向こうからやってこない限り、今はこちらから出て行くことはない。様子を見ていたほうがいい)
(――まぁ、趙公明様があの袴野郎と戦ってくれれば、その間に逃げ出せるかもしれないけどさ)
(……)
逃げてしまってよいものかどうか。
あの二人はまだ悪人とは断定できないが、少なくとも善人とは言いがたい雰囲気を持っている。
(やはり、もう少し様子見だな)
「どうやらそこの人は出てこないようだよ、藍染クン」
「……妖怪仙人と言ったね?それはどういう存在なのかな?」
「そうだね、簡単に言えば、長い年月を生きることによって人間に変化できるようになった人外の存在ってとこかな」
「なるほど…」
興味深そうに頷く藍染。
そしてさらに質問しようとした藍染を趙公明はさえぎる。
「おしゃべりはここまでだ。僕は君と話すために舞い降りたわけじゃないからね」
如意棒を構え、藍染に向ける。
「見たところ君は中々の実力者のようだ。僕と勝負しようじゃないか」
「……」
体力が万全ならば、相手を倒して支給品を奪うことに迷いはなかったが、今はまずい。
盤古幡の重力50倍を使用した反動がかなり残っている。
趙公明と名乗ったこの男の実力がどれほどかは知らないが、自分から勝負を挑んでくる以上、
それなりに強いのだろう。さらに仙人でもあると言うならなおさらだ。
「そうだね……君はこのゲームから脱出するつもりはないのかな?」
藍染は今まで何度か口にしてきた『脱出』をちらつかせ、時間稼ぎを図る。
「脱出だって?」
「そう、僕はこのゲームから脱出する方法を知っている。君にその気があるなら、他の人を集めて琵琶湖に」
「そうはいかない」
藍染の言葉をさえぎり、強い口調でそう言い放つ趙公明。
今までとは違う、好戦的な雰囲気を放ちながら。
「なぜ脱出などしようとするんだい?せっかく全力で戦うことができる好機だというのに」
「わけの分からない『主催者』とやらの掌の上で踊らされているだけでもか?」
「そんなことはどうでもいいことだよ。戦いたいから戦う、それでいいじゃないか」
藍染も戦い自体は否定しない。
が、さすがにこの状況下での趙公明の発言はいささか理解しがたい。
『ゲームを生き残るために戦う』のでも『主催者を倒すために戦う』のでもなく、
『戦いたいから戦う』と、今の状況で言い切る趙公明を理解できるものは、このゲームに何人いるだろうか。
「そうか……だが、今の僕は少々疲れていてね…」
そう言いながら刀を構える。
「さぁ、お互い全力を出して戦おうじゃないか!」
趙公明も如意棒を構え、そして…
「アン、ドゥ、トロワ!」
如意棒を振るう趙公明。
しかし…如意棒が当たったはずの藍染の姿は消えうせ、周囲には静寂のみが残った。
「……ふぅ、せっかく素晴らしい戦いができると思ったのに」
落胆を隠せない表情で、構えていた如意棒を降ろす趙公明。
そして、その場を動くことなく、何かを待つようにじっと佇んでいる。
(――あの袴野郎、消えちまったぞ!)
(幻術の類か? しかし趙公明という男の方は動く様子がないな)
趙公明はしばらく立ちつくしていたが、やがて待ちきれなくなったのか声を上げる。
「さぁ、そこの君!いつまでも隠れていないで出てきたまえ!」
(――やべぇよ!どうするんだ!?)
(……ヤツは明らかにゲームに乗っている。ここで逃げるわけにはいかない)
(――おい、やめろって。あの方の強さを知らないからそんなことが言えるんだ!)
飛刀の言葉には耳を貸さず、ラーメンマンは曲がり角から足を踏み出した。
趙公明はそんなラーメンマンを見極めるように、じっと見つめている。
「まずは名前を聞かせてもらおうかな。僕は貴公子、趙公明だ」
【京都府・市街地/1日目・午前】
【趙公明@封神演義】
状態:左足に軽傷
装備:如意棒@ドラゴンボール
道具:荷物一式×2(一食分消費)・神楽の仕込み傘@銀魂
思考:1.目の前の男(ラーメンマン)と戦う。
2.エレガントな戦いを楽しむ。太公望、カズキを優先。
【ラーメンマン@キン肉マン】
状態:健康 ・深い悲しみ・強い怒り
装備:飛刀@封神演義
道具:荷物一式・髪飾りの欠片(※)
思考:1.目の前の男(趙公明)に対処。
2.弱き者を助ける。(危害を加える者、殺人者に対しては容赦しない)
3.正義超人を探す。
4.ゲームの破壊。
※神楽の髪飾りの欠片を持っている理由は以下の通り。
・形見として少女の仲間、家族に届けるため
・殺人犯を見つける手がかりにするため
【京都府・市街地外れ/1日目・午前】
【藍染惣右介@ブリーチ】
状態:わき腹に軽い負傷・骨一本にひび・中度の疲労(戦闘に軽い支障あり。盤古幡使用不可)
装備:刀「雪走り」@ワンピース・斬魄刀@ブリーチ
道具:荷物一式(食料二人分、一食分消費)・スーパー宝貝「盤古幡」@封神演義 ・ウェイバー@ワンピース
思考:1.ひとまず逃走
2.琵琶湖へ向かう
3.出会った者の支給品を手に入れる。断れば殺害。特にキメラの翼を求めている。
4.計画の実行
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