0003:月触
夜の帳の中、異形のものが一人、双眼鏡を手に辺りを伺っていた。
ソレの名はムーンフェイス。人間だった頃はルナール・ニコラエフと呼ばれていた。
現在、ソレは人ではなく人喰い。錬金術の結晶とも呼ぶべき、人型ホムンクルスである。
「むーん、核鉄もないし、これから一体どうしたものかね」
ここで死ぬ気はない。かといって、積極的に狩りにまわるほど愚かにもなれない。
ムーンフェイスの真骨頂は、自らの武装錬金を活かした消耗戦にある。故に、個人としての
戦闘能力は決して高いとはいえない。一般人に遅れをとるとは思わないが、広間には、自分を含め
明らかに人ではないものが多数存在していた。無策で挑んでも勝算は低い。それに加え、
自分に支給されたコレはどうみても武器ではない。性能はよさそうだが、あくまで単なる双眼鏡だ。
とても殺し合いの役に立つとは思えない。誰か、強力な攻撃能力を有するものと組んで初めて、
威力を発揮するタイプのアイテムだろう。
「やれやれ、まぁ、私はどちらかというと副官、補佐型なんだけどね」
現在、自分が持っている最強の攻撃方法は捕食。手のひらで掴んだ人間を、肉体ごと吸収するという
人型ホムンクルス固有の能力。だが、間合いを詰める、掴む、捕食するという3アクションは、致命的に長い。
相手が拳銃や、それに類する武器、能力を持っていた場合、もうそれだけでアウトだ。
ホムンクルスは錬金術以外の力を受け付けないはずだが、主催者たちもそれぐらいのことは先刻承知しているだろう。
確実ではない。が、支給されている武器でも、ホムンクルスにダメージを与えることができると考えておいたほうが無難だ。
なにせ、武装錬金が使えない今の自分の本体は一人。体を張って確認するにはリスクが大きすぎる。
だから自分は探す。自分が力を貸すに値する存在を。そう、私は月。私は常に在る。が、誰かに照らされて、
はじめてその価値を示すことができる。100年前は蝶野爆爵に。そして今回は・・・・・・
そこで見つけた。一人の男を。広間で主催者と問答をしていた男で、名は、確かLといったか。
パピヨンやバタフライといった、一種の天才が持つオーラを、その男も確かに持っていた。知らず、自分の顔に薄い
笑みが張り付く。
「さて、月夜の散歩は必ずいいコトがあるものだけど」
人型ホムンクルス、ムーンフェイスは歩を進める。世界最高と謳われた頭脳に向かって。
「むーん、この出会いはどうなのかな?」
「いい月夜だね、キミもそう思わないかい」
【ルナール・ニコラエフ(ムーンフェイス) :武装錬金
状態:健康
現在地:静岡県
所持品:荷物一式、双眼鏡
第一行動方針:Lとの接触。条件次第でLを補佐
基本行動方針:生き残る】
【 L(竜崎):デスノート
状態:健康
現在地:静岡県
所持品:荷物一式(支給品は不明だが、本人は確認済み)
行動方針:不明(次の書き手さんに任せます)】
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